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基礎知識

食事改善に必要なのは基準値と○○

 

日本人の食事摂取基準2020年版の利用開始も

あと8か月ほどとなりました。

 

来月からは、厚生労働省主催の研修会が始まりますし、

活用に向けての準備が進むことになります。

 

ところで、各栄養素の基準値がいくら、という知識は、

食事改善をめざす食事指導の際に、

必要なもののひとつです。

 

もうひとつ、必要なものはなんでしょうか?

 

それは…

「食事アセスメント」です。

対象者の現在の習慣的な栄養素の摂取状況を、

食事調査を行って調べることです

 

食事摂取基準にも、

総論の「活用に関する基本的事項」の項に

「まず、食事摂取状況のアセスメントにより、

エネルギー・栄養素の摂取量が適切かどうかを評価する」

とあります(文献1)。

 

たとえ、基準値が設定されていたとしても、

対象者の方の現在の摂取量が分からなければ

「あとどのくらい摂りましょう」とは

言えないからですね。

 

それではどのように

「習慣的な」栄養素の摂取量を調べればよいでしょうか。

 

よく使われている、食事記録法で「習慣的な」摂取量を調べるには、

数10日や数100日といった長期間の調査が必要です(文献2)。

食事は毎日異なる、「日間変動」という現象があるからです(文献1)。

 

数日調べただけでは、

その日はたまたまそうだったけど、いつもそうとは限らないため、

「習慣的な」状況が見えてこないわけです。

 

一方、食物摂取頻度法や食事歴法といった

質問票を用いた方法は、

過去1か月とか1年などの習慣的な食事をたずねており、

食習慣を調べるのに適した方法です(文献3)。

 

ただし、このような質問票は、あらかじめ、

妥当性や再現性といった質問票の信頼度を

検証しておく必要があります。

 

といった、栄養疫学の基礎知識が

食事摂取基準の総論に詳しく解説されています。

 

各論の基準値の数値が上がった、下がった、だけではなく、

その数値がどのように設定されたのか、

そして、それをどう活用するべきなのか、

食事摂取基準は、総論をじっくり読んで

理解を深めておくべきだろうと思います。

 

ところで、

妥当性の検証された食事歴法質問票のひとつであるBDHQは

Webシステムが構築され、食事指導に利用できるツールになっています。

こちらにご紹介しておきます。

生協研究所のBDHQ_Webシステム利用案内ページ

 

【参考文献】

  1. Fukumoto A et al. J Epidemiol 2013; 23: 178-86.
  2. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会. 2019.
  3. Willette WC. Nutritional Epidemiology 3rd ed. Oxford University Press. 2013.

 

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