栄養疫学とは

サイトを訪れてくださりありがとうございます。

このサイトでは、氾濫する食情報・健康情報をどのように解釈したらよいのか、

その判断の手助けになる、栄養疫学の基礎知識を提供しています。

その栄養疫学とは、そもそもどのような学問分野なのかをご紹介します。

 

栄養疫学の内容

栄養疫学は、疫学という学問分野のひとつです。

疫学とは、たくさんのヒトを調べ、得られた結果をデータ化して分析し、

結論を導く学問のことをいいます。

その疫学の手法を用いて実施する栄養学が、栄養疫学です。

栄養疫学の研究では、実際に生活しているヒトを対象に、

そのヒトがどのようなものを食べ、どのような健康状態なのかを調べます。

その結果、「○○という食べ物が□□という病気を防ぐ」ことが

本当にヒトで起こるのか、ということを

明らかにすることができます。

栄養疫学は、このような食情報の

「科学的根拠」となりうる研究が行われる学問分野です。

 

栄養疫学の位置づけ

疫学研究の重要性を、

「○○という食べ物が□□という病気を防ぐ」という情報を作るときを例にして、

もう少し説明します。

 

このような食情報が作られるとき、最初に行われるのは、

多くの場合、細胞や動物を使って行う実験研究です。

実験研究では、がん細胞に栄養成分を与えたときに細胞がどのように増殖するか、

または動物にその食品を食べさせるとどのような効果があるのか、などを調べます。

これにより、ヒトの体の中で起こるかもしれない現象を発見したり、

それがなぜ起こるのかというメカニズムを解明したりします。

この段階では、まだヒトで本当にその現象が起こるか、

そしてどのくらいの量で起こるのかは明らかになっていません。

けれども、得られた結果はヒトに応用できる可能性を秘めていますし、

次に行う疫学研究のきっかけとして必要なものです。

 

一方で疫学研究とは、ヒトを対象にして行う研究です。

実験研究で起こる現象が、実際に生きているヒトで起こるのか、

どのくらいの量与えられると起こるのか、

ということを明らかにすることができます。

疫学研究のみでは、

得られた結果のメカニズムを詳細に説明することは

残念ながらできません。

けれども、実際に起こるか、どのくらいの量で起こるか、

ということが明らかになるということは、

結果を現実の社会に応用するための情報を作るときに、

なくてはならない研究ということになります。

 

研究の種類と順序を図で説明すると

図1のようになります。

 

 

このように、疫学研究には、実験研究とは異なる目的があります。

研究の順序としては、実験研究のあとに疫学研究が実施されます。

そして、最終的には、ヒトでの効果、つまり疫学研究の結果に基づいて初めて、

研究結果を社会へ応用できるようになります。

 

つまり、食情報の発信には栄養疫学研究の結果が必須ですし、

その食情報の根拠となっている栄養疫学研究の結果を読み解く力があれば、

情報の確からしさを判断することも可能になるのです。

 

栄養疫学を学ぼう

とはいえ、栄養疫学研究を読み解くには、それなりのコツが必要です。

疫学研究の対象はヒト集団であり、

それぞれのヒトは遺伝子も生活習慣も異なります。

その結果、実験研究と違って結果にばらつきやゆがみが生じ、

結果をそのまま受け入れることのできない場合が多々あります。

研究を理解するうえで、あらかじめ知っておかなければならない

疫学特有の現象もあります。

 

それなのに、栄養疫学を学べる場は、あまりありません。

栄養を専門に学んできた栄養士・管理栄養士のみなさんでも、

栄養疫学を習ったことはほとんどないと聞いています。

その他の職種の方では、なおさらではないでしょうか。

その結果、栄養疫学の知識を身に着ける暇もないまま、

食情報に翻弄されながら業務をこなしている方が多いと感じます。

 

そのような方々へ、このサイトでは、

栄養疫学の知識を用いて食情報をどのようにとらえたらよいか、

ブログなどで提供しています。

また、信頼できる食情報をみきわめるための

チェックポイントや栄養疫学の基礎知識を学べる

無料メールマガジンもご用意しました。

 

不確かな食情報が氾濫するのを防ぐためには、

特に栄養を業務にする人たちが、栄養疫学の知識を身に着け、

その情報の信頼度を判断する力を身につけることが必要だと感じます。

栄養士・管理栄養士のみなさんや、

栄養を業務にしているその他の職種のみなさんと、

栄養疫学を学び、

それを使って社会の健康づくりを一緒に進めていければと思っています。

 

 

 

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