前回のブログで触れた「日本人の食事摂取基準」とは
厚生労働省、つまり国が公表している
栄養素の摂り方の基準値と
その考え方、使い方が書かれた文書です。
基本的には、栄養を業務にしている
栄養士・管理栄養士さんなどの専門家向けに書かれているため、
内容をしっかり理解しようと思うとけっこう難しいです。
そして、この文書が
栄養業務に対応するための「ガイドライン」という
位置づけであることは
前回のブログでお知らせしました。
難しい内容ではありますが、ガイドラインである以上、
栄養を業務にする専門家の方は、基準値だけではなく、
その値の決まった経緯や、その値の使い方も学ぶために、
本文すべてに目を通しておくことが
必要だろうと思っています。
一方で、食事摂取基準は専門家向けに書かれていて、
一般の人向けには書かれていない、
一般の人が読むものではない、と
策定検討会ワーキンググループの座長である
佐々木敏先生はおっしゃるのですが、
私としては、
この食事摂取基準をぜひ、
栄養の専門家ではなくても栄養や食事に業務上少しでも関わる人や
食情報に興味がある一般の方にも
その存在を知ってもらい、作られ方を知ってもらい、
できたら手に取ってもらい、大まかな内容を知ってもらえないか
と思うのです。
というのは、
この食事摂取基準の中に書かれている情報こそが
「信頼できる食情報」のとてもよい具体例だからです!
食事摂取基準の中に記述されている食情報は
世の中に氾濫している
「健康のために○○を食べましょう」といった
多くの食情報が作られるのとは
全く桁違いな大量の調べものをして、
信頼できる論文の結果を根拠に作られています。
「信頼できる食情報」をどう見きわめればよいかは
こちらのメールマガジンでご紹介をしていますが、
このメールマガジンの中でお知らせしているように、たとえば
ヒト研究の結果が使われているか、
学会発表ではなく論文発表された研究結果が使われているか、
複数の研究結果を考慮しているか、
といったことが
その食情報が信頼できるかを見きわめる
ポイントになります。
けれども、たとえ信頼できる食情報の見きわめポイントが
分かったとしても、
「本物」の信頼できる食情報に触れなければ、
結局はどれが本当に信頼できる食情報なのか
よく分からないですよね。
それに世の中にはそのような情報が少なく、
自分で探すのはとても大変だし、
見きわめられるようになるまで時間もかかると思います。
なので、
「食事摂取基準の中に書かれている食情報こそ
信頼できる食情報の具体例」と知っておけば
安心して、「じゃあ、信頼できる食情報ってどんなもの?」と
その内容を見てみることができるのではないでしょうか。
栄養の専門家でない場合は、
栄養業務の実践レベルに到達するまで詳しく読む必要はなくて、
まずは「本物」にただ触れるつもりで、本文を読んでみる、
これで十分です。
そうするうちに、
本物の信頼できる食情報が
世の中に氾濫している食情報とは全く違う作られ方をしていることが
わかるようになってくると思います。
そうすれば、
あまり信頼できな食情報との見きわめがつくようになり、
食情報を鵜呑みにしない、その感覚が
身についてくるはずです。
とはいえ、全文を深く読まなくてよい、と言えども、
大まかな内容を把握することすら
専門的な知識がないと難しいかもしれません。
読みたいと思っているのに、途中で挫折してしまう、
これまでそんな経験をしてきた方へ
本文全文を自分で読むことをお手伝いする
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