食事摂取基準2020年版の使用が始まって2か月ほどが経ちました。
様々な場面で発信していることですが、
栄養を業務にしている方には
この食事摂取基準の本文をぜひ読んでほしいです。
というのも、食事摂取基準は
栄養業務に対応するための「ガイドライン」という位置づけです。
病院などで疾患を持つ方に対応する場合には、
各疾患のガイドラインに沿った対応をすると思いますが、
その「一般の人」版です。
まずおさえておきたい基本ですね!
内容は膨大で、
これを作成するために膨大な科学論文を専門家たちが読み、
その論文を根拠にして記述されています。
食事摂取基準に書かれてあることが理解できれば、
世の中に氾濫している
「○○を食べるとよい」といった食情報が本当に正しいのか、
判断する力も身に付きますよ。
本来、食情報を判断するには
栄養疫学の知識が欠かせないのですが、
食事摂取基準はその内容が総論を含め、各所に記載されていて、
栄養疫学を学ぶ教科書にもなるのです。
というわけで、
食事摂取基準2020年版報告書をぜひ
手元に置いてほしい!
読んでほしい!
報告書は厚生労働省のWebサイトでダウンロードできます。
ですが、書籍も発売されていて
こちらがお勧めです。
伊藤貞嘉/佐々木敏 監修「日本人の食事摂取基準(2020年版)」第一出版(2020)
この書籍の何がいいかって、
厚生労働省の報告書には載っていない、
この書籍オリジナルの「オリジナル資料」が
非常に充実しているんです。
まずは食事摂取基準の本文を
いきなり読み始めるのにハードルが高い場合、
このオリジナル資料から読み始めるのをお勧めします。
このオリジナル資料の中に、こんな記述があります。
食事摂取基準はセンターライン
食事摂取基準はガイドラインの一種です。(中略)
ガイドラインを厳密に守ってもぴたりとは当たらないものの、ガイドラインを気にしていればさまざまな状況において「大きくはずれていない答え」を出せます。これがガイドラインの最大の目的であり、ガイドラインが求めている使い方です。食事摂取基準も道路のセンターラインもこのように使ってください。
伊藤貞嘉/佐々木敏 監修「日本人の食事摂取基準(2020年版)」第一出版(2020)
オリジナル資料P12
栄養業務で事故を起こさないための基本的な決まりを
学んでいきましょう。
まずは書籍購入し、オリジナル資料を読み、
そして次に本文を読み始める、という順序です。
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また、食事摂取基準と並行して
食情報の扱い方は、こちらのメルマガを読んで
学んでみてくださいね。
【参考文献】
1. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版. 2019.