「サバ缶にはダイエット効果がある」という情報で
品薄になっていると聞きます。
その根拠を説明しているいくつかの情報を見てみました。
すると、サバに含まれるEPAという脂肪酸を摂取したときに
脂肪を燃焼しやすい体質になるとか
血液中の中性脂肪の値を下げるという説明がありました。
けれども、実際に体重が減ったことを示した研究を
根拠にしているものはありませんでした。
体重減少をうたうには
少し根拠に乏しいなと感じます。
何かの食品を食べ増やして体重が減るということは
基本的にはありえない話です。
食べればエネルギー摂取量が増えるからです。
体重は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量の
バランスで決まります。
体重が減るのは、
エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回ったときです(文献1)。
サバ缶のダイエット効果をうたっている情報では、
サバ缶を食べるとエネルギー消費量が増えると想定しているのでしょうが、
サバ缶を食べるとエネルギー摂取量も増えてしまいます。
ということは、サバ缶を食べた分、ほかの食品を減らして、
エネルギー摂取量が増えすぎないようにしなければならないはずですが、
効果の現れる摂取量に関して説明はなく、
たくさん食べるとよいというような誤解を与えそうな情報ばかりでした。
体重の増減にはエネルギー摂取量が直接影響を与えるので、
何かを食べて体重の変化を調べる研究を実施するためには
エネルギー摂取量が変化していないか、同時に調べておくことが必要です。
実施するのはけっこう難しいと思います。
それを慎重に考慮して実施した研究を根拠にして
ある食品のダイエット効果をうたっている情報って
どれほどあるのだろうと感じます。
ダイエットに効果がある食品の情報を見たときには
・本当に体重減少を評価した研究を根拠にしているのか
・その研究ではエネルギー摂取量の変化を考慮しているか
・どのくらいの摂取量で効果が現れるかが示されているか
といったところを確認してみてください。
【参考文献】
- 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2015年版. 2014.
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