大学などの高等教育機関で専門的に「栄養疫学を学びたい」と思っている、社会人の方や、学生さんから、「どこで学ぶことができますか?」というおたずねをいただくことがあります。
そこで、どこで学べるのかを考えるために、まずは私の考える「栄養疫学を学べる場所」の定義を説明します。
それには、以下の3つの条件を満たす必要があると考えるのです。
条件1:栄養疫学の調査方法論から介入研究にわたるすべての研究分野に精通している専門家から指導を受けられる。
条件2:栄養疫学を体系的に学ぶ機会がある。
条件3:周囲に同じく栄養疫学を学んでいる仲間がいる。
ひとつずつ見ていきます。
条件1:栄養疫学の調査方法論から介入研究にわたるすべての研究分野に精通している専門家から指導を受けられる。
前回のブログで、疫学研究にはいくつかの種類と、実施する順序があることを説明しました。
専門的に栄養疫学を学ぶのであれば、これらすべての種類の研究をある程度実施できる専門家になることを目指しているのだと考えます。
そうなるためには、それが実際にできる専門家から指導を受ける必要があると思います。
特に、研究の底辺で重要な分野である、栄養疫学の調査方法論や記述研究を、実際によく実施してきた専門家から指導を受けられることは、しっかりした基礎力が身に着くことになると感じます。
条件2:栄養疫学を体系的に学ぶ機会がある。
私が想定しているものは講義形式の授業ですが、形式にはこだわりません。
書籍などを読むことでも、よいかもしれません。
いずれにしても、栄養疫学の基礎的な知識を、広く全般的に学んでおくことは、栄養疫学分野の様々な情報を理解したり解釈したりするためには必要だと思います。
条件3:周囲に同じく栄養疫学を学んでいる仲間がいる。
ひとりで学ぶことには限界があり、知識には偏りもでる可能性があります。
そんなとき、隣の席にいる人の読んでいる論文を読ませてもらうことで新しい発見があったり、他の仲間の研究に関して相談している内容が雑談として耳に入ることで、自分の研究に新しいアイディアがわいたり、ということはよくあるものです。
こうして、仲間と学ぶことが、自分の独りよがりの学びに、様々な知識や考え方を付け加えてくれます。
これは私自身がとても重視していることです。
この3つの条件を満たす場所が、私の考える「栄養疫学を学べる場所」です。
そして今、私が運営している「栄養疫学基礎講座」は、この3つの条件に近い環境を整えています。
講座を受講することで、
栄養疫学を広く学び、実際に研究を行ってきた講師(私)が家庭教師のようにみなさんの学びをお手伝いしますし、
講座では栄養疫学を体系的に学べるように講義を組み立てていますし、
それを受講している他の人たちの疑問・質問と、講師からのその回答をお互いに知ることのできますし、
受講生同士がオンライン上のチャット機能を使って交流できるような仕組みを作っています。
講座を詳しく知りたい方は、こちらの講座ページをご覧ください。
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