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栄養の実務・研究・教育の現場を栄養疫学でつなぐ

食事摂取基準

天からは降ってこない食事摂取基準

 

1日にとるべき栄養素の量が示されている

日本人の食事摂取基準。

 

様々な栄養業務は

この基準値をもとに実行されるわけで、

そのために、この基準値に関して、

色々な方々が、色々な場面で

色々な意見をお持ちになると思います。

 

たとえば、

食塩の目標量は厳し過ぎる、もっと緩めてもよいのでは、とか

糖や水の推定平均必要量・推奨量を早く決めてほしい、とか

コレステロールの目標量を設定するべき、とか

2015年版までは小児で基準値の設定されていない栄養素が多く、

早く設定するべきだった、とか。

 

けれども、そのような意見を、

策定検討会専門委員の佐々木敏先生に伝えると、

「食事摂取基準は天から降ってくるものではない!」

と、怒られます。

 

これはつまり、

食事摂取基準は、単なる意見や都合で勝手に作成することはできない、

ひとつの基準値を作るのに大量の疫学研究結果が根拠に必要、

という意味です。

 

それがないから作ることができない、

今の値を安易に変えることができないのです。

 

だから、本当は、

根拠となる栄養疫学研究をどんどん実施していきたいし、

栄養業務の現場にいる方に、

基準作りに必要な研究結果を作成する協力をしていただきたいのに、

現場のみなさんに、

食事摂取基準をなんとかしてほしい、とだけ言われると

佐々木先生は怒るわけです。

 

とはいえ、疫学研究がどのように行われるのか、

普通に過ごしていたら、知らないし、

想像もできないですよね。

 

そんな「疫学研究がどのように行われるのか知りたい」

という要望にお応えするために、

以前、一般社団法人 FOOCOMのサイトで

疫学研究実施の裏側をご紹介したことがあります。

 

少し時間がたってしまったコラム記事ですが、

未だに参考にしてくださっている方もいらっしゃるようで、

先日も、ある栄養士養成校の先生が

この記事を授業に用いて研究がどう行われるのか紹介したところ、

学生からも分かりやすいとの感想が得られた、と

連絡してくださいました。

 

それで、今こそもう一度、

研究ってこんなに大変なんですよ、ということをお知らせしたく、

そのコラムをこちらでご紹介したいと思います。

 

連載したコラムはこちらの

食情報、栄養疫学で読み解く」のページで

すべて確認できます。

 

この中で、疫学研究の実施の様子を綴った

「疫学調査の裏側お見せします」シリーズは

こちらになります。

『減塩で高血圧予防』も疫学が生きている:疫学調査の裏側お見せします1

一発勝負の裏でてんてこまい:疫学調査の裏側お見せします2

計画は研究の要:疫学調査の裏側お見せします3

頭も体も使って準備万端:疫学調査の裏側お見せします4

47万ページの確認作業:疫学調査の裏側お見せします5

調査はみんなのために:疫学調査の裏側お見せします6

 

この研究を実施したことで、実際に

食事摂取基準2020年版の

たんぱく質の項の参考文献55の論文を

書き上げることができました。

調査の準備から、論文公開まで、おおよそ4年。

長いですね。

 

論文執筆から公開に至るまでの裏側は

こちらです。

科学的根拠が生まれるまで:論文発表の裏側お見せします

 

でも、本物の「信頼できる食情報」を作るためには

このくらいの労力がかかることが普通です。

この「普通」を多くのみなさんに

ぜひ知って頂ければと思います。

 

よかったら、FOOCOMコラム読んでみてくださいね。

 

 

本物の「信頼できる食情報」がどういうものかは

こちらで学ぶことができますよ。

 

 

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